必須アミノ酸・BCAAとは?
筋トレなどのトレーニングをしていると必須アミノ酸・BCAAという単語を耳にすることが多くなります。
では、この必須アミノ酸やBCAAとは、一体どのような成分なのでしょうか?
具体的にみていきましょう。
1.必須アミノ酸とは?
アミノ酸とはタンパク質の構成に欠かせない成分のこと。
必須アミノ酸とは、そのアミノ酸のうち、人体内で生成できない種類を指します。
具体的には、20種類あるアミノ酸のうち、9種類が必須アミノ酸となります。
・必須アミノ酸
バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、リジン(リシン)、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン(トレオニン)、ヒスチジン
・非必須アミノ酸
アルギニン、グリシン、アラニン、セリン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸
2.BCAAとは?
BCAAとは上記のアミノ酸の9種のうち、「バリン」・「ロイシン」・「イソロイシン」の3つの総称です。
分岐鎖アミノ酸(Branched Chain Amino Acid )を略してBCAAと呼ばれています。
BCAAは、人体の機能維持に欠かせないアミノ酸です。
特にスポーツなど身体を動かす時に重要と考えられています。
筋トレ・運動時にはBCAAを積極的に摂ろう
では、筋トレや運動時に必須BCAAを摂るべき理由をいくつかご紹介します。
1.筋肉の材料になる
近年の研究では、BCAAは筋肉内に豊富であることが分かってきました。
そのため、BCAAには、筋肉を作る役割があると考えられています。
さらにBCAAは筋肉の原料として、筋損傷を修復する作用もあります。
筋損傷とはたとえば、筋肉痛などが代表的です。
BCAAを摂取した方は、摂取しない方に比べると、練習後の筋肉痛・疲労感が軽いというデータが出ています。
つまりBCAAには、運動後の筋肉のダメージの素早い修復が期待できるというわけです。
2.筋肉の分解を抑える
体を動かすにはエネルギーが必要です。
このエネルギーは、まず筋肉にある「糖質」が使われ、その後に「脂肪」が燃焼されて生み出されます。
しかし、「脂肪」が分解されてエネルギーとして使えるまでには時間がかかってしまいます。
そのため、体はエネルギー確保のためまず筋肉を分解し、エネルギーとして使用してしまうのです。
そんなときに効果を発揮するのがBCAAです。
摂取後、すぐにエネルギーとして使われるため、筋肉の分解を防ぐことができます。
・有酸素運動は特に注意
筋力トレーニングはおもに糖質がエネルギー源。
有酸素運動は糖質・脂質・アミノ酸(たんぱく質)がエネルギー源となります。
長時間の有酸素運動を行い、糖質のエネルギーが枯渇すると、脂質を分解してエネルギーを生み出します。
そのタイミングで、血中や筋肉内のアミノ酸もエネルギーとして利用されます。
そのため、必要なエネルギーが枯渇している状態で有酸素運動を行うと、カラダの筋肉を分解してエネルギーを確保するため筋肉量の減少が起こるのです。
筋肉量を維持しながら有酸素運動を行いたい場合、BCAA(分岐鎖アミノ酸)を摂取してエネルギーの枯渇を防ぐことが大事になります。
・アルコールは筋肉の分解を促進する
アルコールの摂取によって分泌される「コルチゾール」というホルモンには、血糖値をコントロールする働きがあります。
このコルチゾールには、エネルギー源である糖を生み出すために、筋肉の分解を促進させてしまう作用もあると言われています。
筋肉の分解は筋肉量の低下に繋がり、カラダづくりにとって悪影響を及ぼしてしまいます。
3.集中力の維持
ハードなトレーニングを行っていると、体の疲労だけでなく集中力も低下していきます。
その原因がセロトニンというホルモンです。
セロトニンが過剰に分泌されることで、疲労感をもたらし集中力を低下させると考えられています。
そんなときにBCAAを摂取すると、血中のBCAA濃度が保たれ、セロトニンの上昇を抑えて集中力を高く保つことができるようになります。
集中力の低下は、不意な事故やケガに繋がるもの。
質の高いトレーニングを行うために、集中力を維持してくれるBCAAの摂取は必要不可欠といえます。
必須アミノ酸が多く含まれる食品は?
BCAAを含む必須アミノ酸は、体内では合成されません。
つまり十分な量を保つには、食品などから摂取する必要があります。
なお、必須アミノ酸は幅広い食品に含まれます。
そのため一般的な食生活をしていれば、健康被害が出るほど欠乏することはほとんどありません。
BCAAは、主に動物性食品に豊富に含まれます。
具体的には、以下のような食品があります。
- まぐろの赤身
- かつお
- 鶏胸肉
- 卵
- 大豆・大豆製品
- 牛乳・乳製品
食品からの十分な摂取が難しい場合はサプリを利用するのも1つの方法です。
BCAAの必要量はどのくらい?
BCAAをはじめ必須アミノ酸は、タンパク質に含まれます。
そのため必須アミノ酸の摂取量を増やしたい場合は、タンパク質を意識して摂取することがおすすめです。
成人の1日のタンパク質摂取量の目安は、男性が65g以上、女性は50g以上です。
タンパク質を食べるときは、肉・魚・大豆製品などのさまざまな食品を少しずつ食べましょう。
食品の種類を増やすと、必須アミノ酸をはじめ栄養全体のバランスが整いやすくなります。