まずは理想の体脂肪率を知ろう!
肥満度を把握するのによく用いられる体格指数(BMI)のほか、体脂肪率も肥満度を知る大事な目安になります。
「体脂肪率(%)」とは体重に占める体の脂肪の割合のこと。
体脂肪率の目安は、年齢を問わず男性では25%以上、女性では35%以上になると肥満といわれています。
体脂肪率は一般に売られている体組成計で測定しましょう。
機種によって測定方法や推定方法が異なるので体脂肪率の数字は一定の誤差があることを理解しておくといいです。
体脂肪の測定は、継続してなるべく同じ時間に測定すると時間帯による体脂肪率の変化に左右されることなく体脂肪率を記録することできます。
体脂肪には「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2種類
体脂肪には、皮下脂肪と内臓脂肪の2種類があり、脂肪の付く場所が異なります。
〇蓄積しやすい場所
皮下脂肪 | 内臓脂肪 |
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下腹部お尻ふともも | 腹腔内(腹筋の内側の壁) |
〇蓄積の仕方
皮下脂肪 | 内臓脂肪 |
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少しずつ蓄積される | 短い期間で蓄積される |
〇脂肪の落としやすさ
皮下脂肪 | 内臓脂肪 |
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一度つくと落ちにくい | 皮下脂肪と比べると落ちやすい |
〇蓄積によるリスク
皮下脂肪 | 内臓脂肪 |
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生活習慣病とはそれほど関係がない | 生活習慣病につながるリスクが高い |
1.皮下脂肪
皮下脂肪は、皮膚の下に付く脂肪のこと。
お腹周りやお尻や太ももなど下半身につきやすく特に下半身につく場合は、「洋ナシ型肥満(下半身肥満)」とも呼ばれています。
場所によって皮下脂肪は、男性より女性に蓄積しやすい傾向があります。
皮下脂肪は、運動不足や食生活の乱れが原因で蓄積されるといわれています。
2.内臓脂肪
内臓脂肪は、お腹周りに付く脂肪を指します。
内臓脂肪が増えてくると、お腹が出てくるのが特徴です。
内臓脂肪の増加は、「内臓脂肪型肥満」といい、皮下脂肪も含めてお腹周辺につく場合は、「りんご型肥満(上半身肥満)」とも呼ばれています。
高血圧や高血糖、高コレステロール血症などによる動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病のリスクにつながりやすいといわれています。
また、男性のほうが女性よりも内臓脂肪が蓄積しやすい傾向です。
簡単な目安として、へそ部分のウエスト周囲径が男性は85cm、女性の場合は90cmを超えていると、内臓脂肪が蓄積している目安とされています。
食事で体脂肪を落とすには
体脂肪は、食事から摂取した栄養が脂肪に変わり、体内の脂肪組織に蓄積されたものです。日々の食生活を見直すことは、新たな体脂肪の蓄積防止につながり、体脂肪を落とすための重要なステップとなります。
1.カロリー量を意識した食生活を行う
食べすぎによる体脂肪の蓄積を防ぐためには、摂取カロリーを意識した食生活を心がけることも重要です。
次のような表をもとに自分に合った摂取カロリーを算出し、適正なカロリー摂取量を超えないようカロリー管理しながら食事をとりましょう。
■目安となる基礎代謝量
基礎代謝量とは、人間が生きていくために最低限必要なエネルギーの量です。
1日中ベットの上から動かなかったとしても、呼吸や血液の循環、体内の生合成と分解、体温維持に要するエネルギーの量のことを指します。
基礎代謝量は年齢や性別ごとに「基礎代謝基準値×体重」で算出することができます(kcal/日)。
当然ですが、ここで算出される値には個人差があります。
一般的に基礎代謝量が最大となるピークは10代で、その後は加齢とともに低下していくといわれています。
この基礎代謝量に仕事や通勤、または運動などの消費カロリーを加えたものが必要摂取カロリーとなります。
2.糖質・脂質の摂りすぎに気を付ける
米やパンなどの主食に多く含まれる糖質や、油や脂身などに多く含まれる脂質は、運動に必要なエネルギー源であり、健康な体を維持するために必要不可欠な栄養素です。
しかし、糖質・脂質を過剰に摂取すると、使われなかった分の栄養素が体内に脂肪として蓄積され、体脂肪が増えてしまいます。
生活習慣病や脳梗塞、脳出血、糖尿病、動脈硬化などを引き起こす原因となる恐れもあります。
3.よく噛んで時間をかけて食事をとる
人間の体が「満腹」と感じるためには、食事開始から20分以上の時間が必要であると言われています。
よく噛まずに早食いをすると、満腹感を得る前にたくさんの食べ物を食べてしまい、摂取カロリーが多くなる傾向があります。
食べすぎを防ぎたい場合は、よく噛んで食べることを意識しましょう。
■よく噛むために注意すべきポイント
- 食物繊維が豊富な食べ物や弾力のある食べ物を多く取り入れる
- 「生で食べる」「焼き物にする」「食材を大きめに切る」など調理方法を工夫する
- 一口30回を目安に、ゆっくり噛んで食べる
- ながら食いをせず、食事に集中する
- 飲み物や汁物で食べ物を流し込まない
運動で体脂肪を落とすには
体に蓄積された体脂肪は、適切な運動を行うことで体脂肪からエネルギーに変換されます。体脂肪を効率よく落とすためには、食生活の改善と並行して「無酸素運動」と「有酸素運動」を習慣にし、カロリー消費量を増やすことが重要です。
1.無酸素運動(筋トレ)で筋肉量を増やす
筋トレ(筋力トレーニング)やウエイトトレーニングのような無酸素運動は、短時間で大きな負荷を体に加えるものの、消費カロリー自体はそれほど大きくありません。
しかし、無酸素運動を継続的に行うと筋肉が鍛えられ、基礎代謝をアップすることが可能です。
人間の体は基礎代謝の50%を筋肉の細胞で使用するため、筋肉を鍛えることで脂肪を燃やしやすく、リバウンドのしにくい体を目指すことができます。
2.有酸素運動で体脂肪を燃焼させる
有酸素運動では、運動中に取り入れた酸素を消費して体内の脂肪や糖が分解されることでエネルギーに変換します。
エネルギー消費がアップすれば、体脂肪を効果的に燃焼できるでしょう。
その際、筋トレなどの無酸素運動で基礎代謝を上げながら、有酸素運動で脂肪を燃焼させるとより効率的です。