良質な脂質

【脂質のこと】脂質は体に必要不可欠なもの。健康とダイエットのためにに摂るべき良質な脂質と避けるべき脂質をご紹介。

脂質とは体に必要とされる3大栄養素の一つ

三大栄養素である脂質は1gあたり9kcalと、三大栄養素の中でも最も高いエネルギーを得ることができます。
脂質は重要なエネルギー源だけでなく、ホルモンや細胞膜、核膜を構成したり、皮下脂肪として、臓器を保護したり、体を寒冷から守ったりする働きもあります。
また、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収を促すなど、重要な役割を担っています。
このようなことから、脂質は私たちの体にとっては欠かせない三大栄養素の1つとされているのです。
しかし、他の栄養素と同様に脂質も過剰に摂り過ぎると肥満などの原因になるため注意が必要です。

避けるべき脂質は動脈硬化の原因となるトランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、脂質の構成成分である脂肪酸の一種です。
植物油などからマーガリンやショートニングなどを製造する際や植物油を高温にして脱臭する工程で生じます。
また、天然でも、牛などの反すう動物に由来する乳製品や肉に含まれています。
トランス脂肪酸を摂りすぎると、冠状動脈性心疾患(CHD)や動脈硬化の高リスク、血液中のLDL(悪玉コレステロール)を増やしHDL(善玉コレステロール)を減らす働きがあります。

トランス脂肪酸が含まれる食材

マーガリン

ショートニング

加工食品

トランス脂肪酸が多く含まれる食品はマーガリンやショートニング、またこれらを原材料に使ったパンやケーキ、クッキー、ドーナツがあげられます。

良質な脂質はダイエットや筋トレの効率アップに

身体によくない脂質を摂りすぎると、悪玉コレステロールが増えます。
善玉コレステロールよりも悪玉コレステロールが多い状態になると脂質異常症となり、内臓脂肪が増えたり、動脈硬化などの生活習慣病リスクが高まります。
ちなみに40歳以上の日本人だと約5人に1人が脂質異常症と言われています。
会社の健康診断などで「脂質異常症」と診断される人も多いので、良質な脂質について知ることはとても大切です。

中鎖脂肪酸:MCTオイル

MCTオイルはココナッツなどに含まれる「中鎖脂肪酸」100%のオイルのこと。
サラダ油などの一般的な食用油に多い「長鎖脂肪酸」に比べて、エネルギーになりやすい油です。
脂肪として蓄積されにくく、筋肉の維持にも役立つので、ダイエットや筋トレをしている人にもおすすめです。

ケトン体を効率的に作る脂質

中鎖脂肪酸の最大の利点は小腸で吸収されたあと血管(門脈)を通って肝臓に運ばれ、素早くケトン体に変わる点にあります。
3~4時間程度でエネルギーとして利用されるため、中性脂肪として蓄積しにくいです。
体内にケトン体が増えると食欲も抑制されるので、食べすぎ防止にも一役かってくれます。

脂肪の燃焼をサポート

MCTオイルを継続して摂ることで、脂肪が燃えやすい体作りにつながります。
私たちの体は普段は糖質を活動のエネルギー源にしていますが、MCTオイルを継続して摂ることで、脂肪がエネルギーとして使われやすい体になります。

中鎖脂肪酸を含む食材
  • ココナッツオイル
  • パーム核油
  • 牛乳
  • 乳製品

オメガ9系脂肪酸:悪玉コレステロールを下げる脂質

オメガ9系脂肪酸とは、体内で合成できる脂肪酸のことです。
血液中のLDLと呼ばれる悪玉コレステロールを取り除くことから、動脈硬化や高血圧の予防効果が期待できます。
また腸を活性化させ便秘を改善したり予防したりする効果もあります。
オメガ9系脂肪酸はオレイン酸・エイコセン酸・ミード酸・エルカ酸・ネルボン酸の5種類の脂肪酸を含みますが、中でももっとも注目されているのがオレイン酸です。

オレイン酸の効果

血液中の悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化のリスクを低下させる効果が期待できるのがオレイン酸の最大の効果です。
またオレイン酸は酸化しにくく、動脈硬化やガンなどの原因となり得る過酸化脂質を作りにくくしてくれます。

オメガ9系脂肪酸が含まれる食材
  • オリーブオイル
  • なたね油
  • アーモンド
  • 牛肉


オリーブオイルに多く含まれるほか、キャノーラ油やナッツ系の油、牛肉やアーモンドなどにも多く含まれています。

DHA・EPA:オメガ3系脂肪酸

オメガ3系脂肪酸はヒトの健康維持に欠かせない脂質といっても過言ではありません。
中性脂肪を減らし、悪玉コレステロールを排出し。さまざまな疾患の予防にもなります。
オメガ3系脂肪酸にはα-リノレン酸、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)などがあります。

脂肪の燃焼をサポート

DHA・EPAは、脂肪の燃焼をサポートしてくれます。
体脂肪には脂肪を溜め込む「白色脂肪」と脂肪を分解してエネルギーを生み出す「褐色脂肪」の2種類があるのですが、DHA・EPAは白色脂肪の褐色化を促進して褐色脂肪のような働きを持たせ、脂肪を燃えやすくしてくれます。

中性脂肪を減らす

DHA・EPAには中性脂肪を減らす働きもあります。
中性脂肪とは血液中の脂肪のひとつで、多すぎると内臓脂肪や皮下脂肪として体に蓄積されてしまうため、肥満の原因になってしまいます。
先述の通り一般的な脂質は中性脂肪を増やすので摂りすぎると太りやすくなりますが、DHA・EPAは中性脂肪を減らしてくれるので、体に脂肪がつきにくく、ダイエットの効率アップにつながります。

血行を良くして代謝や筋トレの効果を高める

DHA・EPA中性脂肪を減らすだけでなく、血液中の悪玉コレステロールも減らし、血液をサラサラにしてくれます。
血液がサラサラになって血流が良くなると、細胞や内臓にきちんと栄養や酸素が届くようになるので、細胞や内臓が活性化し、代謝アップにつながります。
また、血行が良くなることで筋肉にもしっかり栄養や酸素が届き、運動のパフォーマンスが向上。
筋トレの質が上がり、より効率よく筋肉の成長につながります。

オメガ3系脂肪酸の含まれる食材
  • くるみ
  • アマニ油
  • えごま油
  • マグロ
  • サバ
  • サンマ
  • じゃこ