そもそも全粒粉とは何なのか?
全粒粉は、「ぜんりゅうふん」と読みます。
全粒粉とは、小麦まるごとを粉状にしたものです。
小麦粉との違いは、お米でいうところの精米と玄米と同じようなイメージというと、わかりやすいではないでしょうか?
普段見慣れている小麦粉は白色ですが、殻まで粉砕しているので全粒粉は茶褐色です。
香ばしい風味と歯ごたえのある食感が特徴的です。
強力粉や薄力粉のような小麦粉は小麦の胚乳部分のみを使用しているので見た目も白いですが、全粒粉は小麦を丸ごと使っているので外皮や胚芽の栄養も含まれています。
全粒粉に含まれる栄養成分は?
全粒粉にはビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
特に食物繊維、ビタミンB1、鉄分が多いのが特徴といえます。
食物繊維は腸内の有害物質を減らしたり、便通を促したりする効果があり、ビタミンB1は皮膚や粘膜の健康維持や糖を分解してエネルギーを作り出すのに役立ちます。
女性に多いと言われている鉄分不足は貧血や冷え、集中力の低下などを引き起こすため、全粒粉で補えるのは嬉しいところ。
また、小麦粉よりもGI値が低いため、血糖値の上昇もゆるやかになります。
血糖値の急上昇、急降下は糖尿病や動脈硬化などのリスクにつながるとされているので、ダイエット効果や健康面から考えても全粒粉はおすすめです。
全粒粉と小麦粉100gの栄養価を比較
全粒粉は小麦粉と比較して、エネルギー量は大差ありませんが、その他のビタミンやミネラルなどの身体に嬉しい栄養素が豊富なのが特徴です。
- エネルギー 小麦粉365kcal・全粒粉328kcal
- たんぱく質 小麦粉11.8g・全粒粉12.8g
- 糖質 小麦粉69.0g・全粒粉57.0g
- 水溶性食物繊維 小麦粉1.2g・全粒粉1.5g
- 不溶性食物繊維 小麦粉1.5g・全粒粉9.7g
- カルシウム 小麦粉17mg・全粒粉26mg
- マグネシウム 小麦粉23mg・全粒粉140mg
- 鉄 小麦粉0.9mg・全粒粉3.1mg
- 亜鉛 小麦粉0.8mg・全粒粉3.0mg
- ビタミンB1 小麦粉0.09mg・全粒粉0.34mg
- ビタミンB2 小麦粉0.04mg・全粒粉0.09mg
- ビタミンB6 小麦粉0.06mg・全粒粉0.33mg
- 葉酸 小麦粉16.0μg・全粒粉48μg
全粒粉の上手な使い方は?
全粒粉は小麦粉料理の代用として使えそうですが、生地にするにはまとまりにくい・水分を吸収しにくい、という特徴があるため、完全に代用はなかなか難しいみたいです。
よって、口当たりが良いケーキやパンの場合、薄力粉(小麦粉):全粒粉=1:1にして使うレシピなどが多いです。
このように、小麦粉のレシピを全粒粉で置き換えるのではなく、一部全粒粉を使ったレシピの参考にすると良いでしょう。
ざくざくとした食感のクッキーを作るのには向いており、初心者にも使いやすいと言われています。
ダイエット中、不足しがちなビタミンやミネラルを補いたい人は、強力粉のみでできたパンよりも全粒粉パン、薄力粉のみでできたパンより全粒粉入りクッキーのほうが効果が期待できます。
全粒粉はグルテンフリーとは違うので注意!!
全粒粉というと、体に良くいくら食べても太らないというイメージがあります。
近年では、グルテンフリーは健康に良いといわれているため、全粒粉はグルテンが極端に少ないと思ってしまう人も少なくありません。
しかし、全粒粉にもグルテンは含まれているため注意が必要です。
小麦粉や強力粉は、小麦の表皮を取り除いた胚乳で作れられていますが、この胚乳にグルテンが含まれています。
全粒粉は、小麦の表皮もつけたまま、胚乳も一緒に加工されたものです。
したがって、全粒粉にもグルテンは含まれています。