糖は糖質と糖類に分けられている。その違いは?
近年、糖質抜きダイエットや糖類オフなど、糖というのは健康を語る上での重要なキーワードとなっていますが、糖とうまく付き合い、ダイエットにつなげるにはその意味を正しく知ることが大切です。
お菓子やお酒など、糖という言葉は様々な商品において使われています。
ここでは、糖質と糖類の違いについてみていきます。
糖質とはどんなものなのか?
糖質は、体や脳のエネルギー源となる栄養素で、人が健康的に生きていくためには欠かせないものです。
私たちが日常的に体を動かすことができるのは糖質があってこそということです。
他の栄養素と同様に、糖質の摂り過ぎは太る原因になることもあり良いことではありませんが、反対に不足すると身体に悪影響を及ぼすこともあります。
糖質が不足した時の症状としては、疲労を感じやすくなったり集中力が低下したりすることが考えられていますので、制限のしすぎは十分に注意が必要です。
糖質の代表的なものにはデンプン、糖アルコール、オリゴ糖などがあります。
糖類とはどんなものなのか?
糖類は糖質に含まれており、広い意味では糖質といえます。
糖質は消化酵素によって、より小さい分子に分解されるのですが、これが「単糖類」や「二糖類」と言われる糖類にあたります。
また、砂糖やオリゴ糖、ブドウ糖など、初めから単独で糖類や遊離糖類として存在している食品もあります。
糖類は糖質と同様にエネルギー源となる働きを持っています。
また、食後の血糖値を直接上げる要因にもなるのが糖類です。
糖質と糖類は違うとはいっても、糖類は糖質の仲間ですので同じものとして理解していても間違いではありません。
まとめると、「炭水化物>糖質>糖類」という順番でカテゴリーを詳細化することができます。
どうして糖は脂肪に変わってしまうのか?
ごはんやパン、麺類など、炭水化物(糖質)を多く含む食べ物や、砂糖が多く使われているお菓子等を食べると、消化する過程でブドウ糖が生成されます。
このブドウ糖の一部はグリコーゲン*というものになり、体の活動を支えるエネルギーになります。
糖類でもある炭水化物を自身の基礎代謝エネルギー以上に摂ってしまうと血糖値が急激に上がり、それを下げようとするためにインスリン*が大量に分泌されてしまいます。
このインスリンが大量に分泌された状態のとき、ブドウ糖は中性脂肪に変わり、体の脂肪細胞にため込まれてしまうことになります。
これが、糖が脂肪に変わってしまう太るメカニズムとなります。
*グリコーゲン
動物が体内で作る炭水化物の一種で、特に肝臓・筋肉などに含まれる。エネルギー代謝に 必要な物質。
*インスリン
膵臓から分泌されるホルモンの一種。糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きを持つ。ブドウ糖はグリコーゲンや中性脂肪に合成され蓄えられますが、その合成を促進するのもインスリンの働きです。
血糖値を急に上げないことが太りづらくするコツ
最近は、糖質制限ダイエットという言葉がよく聞かれるように、糖質をなるべく取らないダイエットをいている人が多くいます。
しかし、糖質は身体を動かすエネルギーにもなるため、全く摂らないのはおすすめできません。
糖質は摂らないのではなく、食事の食べる順番と量をうまくコントロールして上手に摂取するのが効果的です。
たんぱく質と脂質を先に食べ、主食は後半に食べる
食事はまずおかずからしっかり食べると自然と食事の量が減るという効果も。
たんぱく質と脂質は血糖値をあげないので、その後に糖質の多いものを摂っても、糖の吸収がゆるやかになって血糖値が上がりにくくなります。
水溶性の食物繊維
食物繊維が豊富な野菜から先に食べる「ベジファースト」を実践している人も多いでしょう。
ただし、野菜なら何でもよいのではなく、そこに含まれる食物繊維の質にも意識したいところです。
具体的にいうと、根菜や玄米に多く含まれる「不溶性食物繊維」よりも、水に溶けるとゼリー状になる「水溶性食物繊維」がオススメ。
糖質を包み込んでゆっくりと胃や小腸に移動し、糖質の消化・吸収スピードも穏やかになり血糖値の急激な上昇が防げます。
早食いをしない
早食いをして腸内に一気に糖が運ばれると、短時間で血糖値が上昇してしまうので注意が必要です。
また、早食いをすると、脳が満腹感を感じる前に食べすぎてしまうので、ドカ食いになってしまうこともあります。
ゆっくりかんで食べると、血糖値の上がり方がゆるやかになり、ドカ食いを防ぐとともに、糖化を防ぐことにもつながります。