そもそも筋肉痛とはどうして起きるのか?
実は、筋肉痛になるメカニズムというのはまだ明確には解明されていません。
筋トレによる筋肉の損傷自体が筋肉痛の原因と思われがちですが、筋肉には痛みを感じる神経がほとんどないため損傷とは無関係と現在は考えられています。
最近では、筋肉を修復する際に血管が拡張して白血球やリンパ球が損傷部位に集まって起こる炎症反応が、筋肉痛の原因であるとする説が広がっています。
つまり、炎症反応によって痛み物質が生まれることで起こる、筋膜への刺激が筋肉痛の原因なのではないかとされているのです。
筋肉痛がなければ筋トレの効果はない?
筋トレを必死に頑張ったのに筋肉痛にならなかったら、筋肉は成長せず、筋トレ効果は期待できないかというと、決してそうではありません。
ここでは、筋トレをしても筋肉痛が生じない理由と、筋トレ効果との関係をみていきます。
筋トレをしても筋肉痛にならない時があるのはなぜ?
筋トレの負荷が軽い場合は当然のことながら筋肉痛は起きません。
そのほかに、次のような場合には適度な筋トレをしても筋肉痛にならないことがあります。
身体の調子が良い場合
風邪をひいていたり、睡眠不足や疲れていたりする場合は、筋肉痛を起こしやすくなる可能性があります。
一方で、しっかり休養を取って栄養バランスの良い食事を摂るなどして身体のコンディションを整えた状態で運動をすれば、激しい筋肉痛は起きにくいといわれています。
筋肉を効率よく増やすためにも規則正しい生活習慣や食事は欠かせないものだということですね。
正しいフォームで、自分の身体にちょうど良い負荷の運動をしている場合
筋トレに慣れてきて、正しいフォームで筋トレができるようになると、筋肉痛が起きにくくなります。
また、筋トレの負荷と自分の身体の筋力バランスがとれている場合も、筋肉痛はほとんど起こりません。
筋肉痛にならなくても筋トレの効果は期待できる
身体のコンディションを整えて、正しいフォーム・自身の身体に合った負荷で筋トレをすれば筋肉痛は起きにくくなります。
筋肉痛がなくても筋線維は傷ついているため、バランスの良い食事を摂ってしっかり休めば、筋肉を成長させて痩せやすい身体を作ることが可能となります。
「筋肉痛にならないと意味がない」と、筋肉痛になることを目指して筋トレをがんばりすぎると、ケガをしてしまい、せっかく続けている筋トレを中断することにもなりかねません。
筋トレになった時の対処法はある?
筋トレで筋肉痛を起こしてしまった場合は、無理をせずに休むのが一番です。
もし痛みが強く、腫れがある場合は、その部位をまずは冷やします。
温めたり、軽く動かしたりするのは、ある程度痛みがおさまってからがいいでしょう。
運動直後のアイシング
筋トレ直後から痛みがある場合や、痛みはないものの筋肉の張りがあり筋肉痛が起こりそうな場合は、まず冷やすのが大切です。
アイシングで注意したいのは、冷えすぎることで血行が悪くならないよう、氷や保冷剤をタオルなどで包み、冷たさを和らげてから筋肉を冷やすといいでしょう。
アイシングスプレーや冷感タイプの湿布を使うのも効果があります。
ストレッチ・マッサージ
筋トレをした部位の筋肉は、筋線維が傷ついている状態です。
運動後にストレッチをする場合は痛みを感じない程度、マッサージをする場合は「イタ気持ち良い」程度の強さにとどめるといいでしょう。
また、筋肉痛の痛みや腫れが気にならなければ、運動後のストレッチやマッサージを行っても問題はありません。
痛みや腫れがある場合は、ある程度症状が落ち着いてからストレッチやマッサージを行うといいでしょう。
睡眠をとってしっかりと身体を休める
筋肉痛に限らず、疲労回復に睡眠は欠かせないものです。
筋肉の修復・成長に関わる成長ホルモンの分泌が活発になる22時から深夜2時にかけては、しっかり睡眠をとり心身ともにしっかりと休ませましょう。
筋肉痛になりにくい筋トレの方法とは?
筋肉痛を完全に予防することはできませんが、筋肉痛時の痛みを和らげたり、筋肉痛が起きにくくしたりすることは可能です。
ストレッチやマッサージだけではなく、筋トレ前の食事でも筋肉痛の表れ方は変わってきます。
筋トレ前に軽く栄養を補う
運動前には、筋肉の材料となるたんぱく質とエネルギーの産生に関わるビタミンB群と、たんぱく質合成に関わるビタミンDを摂るようにします。
疲労物質の産生を抑えるとされる、クエン酸の摂取も効果があるとされています。
水分補給を適度に行う
汗をかいて水分不足になると、血行が悪くなって筋肉が酸素不足・栄養不足の状態になり、筋肉痛になりやすくなる場合があります。
筋肉痛を起こさないよう、水分をしっかり摂って血行が悪くならないように注意しましょう。