たんぱく質とは?
身体を作るのに絶対に必要な栄養素の一つ
たんぱく質は、三大栄養素のひとつであり、生きていくうえで特に重要な栄養素です。
体重の約1/5をしめ、血液や筋肉などの体をつくる主要な成分であるとともに、酵素などの生命の維持に欠かせない多くの成分になります。また、エネルギー源として使われることもあります。
体をつくっているたんぱく質の一部は、常に分解され、食べたたんぱく質と合わせて、つくり直しされます。
たんぱく質の材料には、体の中でつくることができないもの(必須アミノ酸)もあるため、私たちは、毎日食べ物からたんぱく質を補給しなくてはなりません。
たんぱく質は特に筋肉を作る材料となる栄養素なので、日々の食事では積極的に取り入れていきたい栄養素の一つになります。
一日に必要なたんぱく質の適量とは?
一般の人が必要とするたんぱく質の量は体重1キロあたり0.8g~1.0gとされています。
体重が60キロの人は1日当たり48g~60gが目安となります。
筋力をアップするためには、1日あたりの総摂取量だけでなく、1回の摂取量を調整する必要があります。
1回の食事やサプリメントなどで摂取するたんぱく質の目安は、体重1キロあたり0.25g~0.3gが適量といわれています。
これ以上のたんぱく質をとっても、取った分だけ筋力アップがアップするということはないということです。
ただし、カロリーを抑えて減量している人は、就寝する前の食事はその約2倍の0.5gをとっても効果があるということもいわれています。
簡単に整理すると、体重60 キロの人の1食あたりのたんぱく質摂取量は15〜20g、就寝前の食事は最高で30gということになります。
過剰に摂取したたんぱく質が身体に与える悪影響とは?
たんぱく質は身体に必要な栄養素ではありますが、過剰な摂取は体への大きな負担を強いてしまい、逆効果になる可能性もあります。
ここからはたんぱく質を過剰に摂取することによる身体に与える影響を紹介していきます。
便秘などの腸内環境の乱れ
私たちの身体の大腸には100種類以上、100兆個にも及ぶ腸内細菌が生息しています。
これらは善玉菌と悪玉菌、どちらでもない中間の菌と大きく分けて三つのグループで構成されています。
たんぱく質を摂りすぎると、体に吸収されなかったたんぱく質がそのまま腸内に送り込まれます。
腸内に贈られたタンパク質は悪玉菌のエサになってしまうので腸内環境の乱れが発生しやすくなります。
本来、一番少ないはずの悪玉菌が増えてしまうと腸の運動が弱まり、便秘を始め、食中毒菌や病原菌による感染の危険性、発がん性を持つ腐敗産物が多く作られてしまう可能性があります。
カロリーオーバー
たんぱく質が豊富な食品、特に肉や卵は比較的カロリーが高い食品です。
筋肉を増やそうとたんぱく質を多く摂りたい一心で、それらをたくさん食べてしまうと結果的にカロリーオーバーとなり、肥満の原因となる可能性があります。
コンビニなどに売っているプロテインバーやドリンクなどは高たんぱく質量な上、糖質も多く含まれている物もあるため食べるときには注意が必要です。
内臓に負荷がかかりやすい
摂取したたんぱく質は、体内で合成と分解を繰り返します。
その過程において、食事から摂ったたんぱく質のうち身体にとって余ったなものは分解されて窒素となります。
このときにたんぱく質を過剰に摂取してしまうと、その分多くの窒素を尿に変換するという作業が体内では行われます。
そのため肝臓や腎臓にかかる負担が普段よりも大きくなり、内臓疲労を引き起こしてしまう可能性があります。
尿路結石になる可能性
動物性タンパク質の摂りすぎは、尿路結石の原因になります。
動物性タンパク質を摂取すると、身体の中で「シュウ酸」や「尿酸」という物質が増加します。
シュウ酸は、とくにカルシウムと結合する性質をもちます。
腸の中でカルシウムとシュウ酸が結合して便となって排出されます。
ところがタンパク質を摂りすぎると、腸で吸収しきれなかったシュウ酸が尿として排出されることになります。
尿に含まれるカルシウムが結合すると、石のような塊となり尿管を詰まらせ、尿路結石を引き起こすのです。